意識的・能動的思考
人間の思考活動は、2つの異なるシステムに分けることができるかと思います。
意識的・能動的思考
自動的・受動的思考
どちらが優れているわけでもありません。
それぞれのシステムに役目があるわけです。
ですが全ての思考活動を意識的・能動的思考だけで行っていますと、効率が悪い上にとても疲れます。
反対に、全ての思考活動を自動的・受動的思考だけで行っていますと、いわゆる「考えることができない人」と呼ばれるようになります。
ですから、二つの車輪のバランスが大切です。
意識的・能動的思考とは、脳にそれなりの負荷がかかますから、人間にとってはストレスといえばストレスなわけです。
だから人は、意識的・能動的に思考することをできるだけ避ける。
それが習慣化してくると、自動的・受動的思考しかできなくなる。
それが知性的な思考活動だと思い込んでしまう。
なんなら、このように考えても良いでしょう。
自動的・受動的思考=システム1
意識的・能動的思考=システム2
システム1
自動的に高速で働き、努力はまったく不要か、必要であってもわずかである。
また、自分のほうからコントロールしている感覚は一切ない。
(自動的、速い、連想的、感情的)
システム2
複雑な計算など頭を使わなければできない困難な知的活動にしかるべき注意を割り当てる。
一連の段階を踏み順序立てて考えを練り上げる。
(努力を要す、遅い、意識的、規則的、客観的)
システム1、システム2のそれぞれの働きについて、詳しく知りたい方には以下の書物をおすすめします。
『ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか? 』
自動的・受動的思考、システム1においては、テレビ番組をぼんやりと眺めているかのように、何も考えずに字を目で追っているだけで、自動的に理解できるような文章しか読まなくなる。
つまり、そういう平易な文章しか読めなくなる。
当然、脳の知性的な側面が活性化しませんから、脳の振動数は低い状態のままなわけです。
『ベルゼバブの孫への話―人間の生に対する客観的かつ公平無私なる批判』
この本は、偉大なるマスターであったゲオルギー・グルジェフが、真の人間や探求者にとっての有益な情報をちりばめながら、なおかつ真の人間や探求者にとって必要な「意識的・能動的思考能力」を鍛えることを目的に作られている本であります。
なので通常の「自動的・受動的思考」では読めません。
それなりの知性と注意・集中力、そしてその持続力が必要とされる本です。
つまり「真正な思考能力」が必要とされます。
それをこの本を読むことによって、いわゆる「認知的負荷が強い状態を継続させること」で、「真の知性」を身につけることができるように設計されているわけです。
いかにも、したたかなグルジェフらしい、見事なシカケです。
「脳の筋トレ」のツールとしてもお使いください。
意識的・能動的思考を身につけたい方は、この本を読み上げてみると良いでしょう。
『ベルゼバブの孫への話―人間の生に対する客観的かつ公平無私なる批判』
もっと理解を深めたい
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。